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昨年6月、調布市議会が「平和安全法制」(つまり安保関連法)の推進を求める意見書を提出したこと、ご存じですか?

 

 

市議会の一番のお仕事は、市民の身近な生活に関わることがらを扱うことですから、「国政に対してあえて意見書を提出したのだ、強い思いがあるにちがいない」という印象を受けますよね?

 

 

他にも安保関連法案に対する意見書は300以上の地方議会から提出されました。全国で地方議会はざっと1800ほどですので、それほど多くの議会が提出したわけではなさそうです。意見書の種類には、「反対」「慎重な審議を求める」「賛成」の3つがあります。内訳をご覧下さい。

 

 

反対                            144地方議会

慎重な審議を求める    181地方議会

賛成                                  地方議会

(長崎県・秋田県・豊島区・八王子市・日野市・調布市・三鷹市・町田市)

7月9日付朝日新聞デジタルの記事による。この時点で賛成意見書を提出したのは東京都内の6議会のみでした。)

なんと、賛成意見書を提出したのは、全国でたったの8地方議会だけです。そして、残念ながらその中に調布市議会が含まれています。長崎、秋田の2つの県議会を除くと、東京都内、それも多摩に賛成意見書を出した市議会が多いのが気になりますね。

 

調布市議会ではどんな審議を経てこの意見書を提出するに至ったのか、議事録を調べてみました。

定例会で意見書提出が可決された時の議事録がご覧いただけます。p.353の鮎川議長の発言から順に見てみてください。

こちらでは動画が見られます。「6月」→「6月29日(月)」の下から2番目、「議員提出議案上程・採決」をクリックしてください。最初の数分です。

あまりにもあっけない採決の様子にビックリです。確認したところ、数年前の議会改革の際に、「本来、市議会に求められている市政により重点を置くべき」というもっともらしい理由で、国政に関わる意見書の提出に際して、意見書の提出理由も討論もすべて省略することにしたそうです。だから、こんな大切な意見書も、一言の理由説明も討論もないまま、ただ採決だけ取って決めてしまったのです。(その後、意見書提出について改善を求める陳情が出され、2016年第1回の議会からは本会議で議案を提出した議員が理由説明をすることになりましたが、安保法制に関する賛成意見書については空白期間なので、理由説明などは入手できません。)
 
 
さて、意見書そのものですが、8つの地方議会が提出した意見書の文章を比べてみると、驚くほど似ているという情報もあります。調布市議会の議員さんのところに回ってきた意見書の案も、FAXで送られてきたものに少し手を加えただけのものだったと言います。
日本が他国の戦争に加担することで、敵国を増やすことになる、と多くの人が危惧している法案。
 
その法案、憲法に違反していますよ、と多くの憲法学者が言っている法案。
 
そんな法案にわざわざ市議会が推進をもとめる意見書を出すというのに、意見書自体は送られてきたもののコピペ。理由説明もナシ。ただただ唖然としてしまいます。
 
 
ちなみに、このことはご存じでしたか?
 
「調布市議会だより」なんてちゃんと見てないしなあ・・・。
 
いえいえ、見てもわかりません!実際、街角でアンケートを取ってみましたが、知っている人はいませんでした。
 
きれいな画像でなくて申し訳ありませんが、ご覧下さい。11が意見書の提出そのものについてです。タイトルは「平和安全法制に関する意見書提出について」となっています。つまり、これだけ見ても、この意見書が何についての意見書なのか、また賛成のものなのか、反対のものなのかひと目見ただけではわからない仕組みになっています。15が反対派議員から提出された議案ですが、これと比べてみても、11の議案はわざとわかりにくくしようという意図が働いているように感じます。
OとXの数、数えてみましたか?
 
そうなんです。
 
賛成14票  vs   反対13票
 
・・・たったの1票差なんです。。。
 
賛成議員は自民と公明です。自民党議員の半分くらいは市議会選の時には無所属で出馬していますので、「あれ?私が票を投じた議員が??」ということもあるかもしれません。さらに、そのうち2名、田中久和議員と渡辺進二郎議員は日本会議に所属していますよ!余談ですが、チャレンジ調布21の宮本かずみ議員もです。
 
今の調布市議会では、ほとんどの議案が、この14対13の1票差で決まっています。
 
政治の世界では、多数決は当たり前なのでしょうか?ママの会@調布のメンバーが調布市議会のI議員(自民党)にお話を伺った時には、政治っていうのはそういうもんだよ」と一言で片づけられてしまいました(汗)もちろんバラバラに分かれた意見をまとめて前に進むためには、多数決は必要な手段でしょう。でも、少数派にも平等に意見を主張する機会を与え、話し合いを深めてから多数決に臨むのが民主主義のやり方です。審議も討論も省略して、ただ数が多かった方の意見を市民の思いを反映したものとして政府に提出するというやり方は、民主主義に反しています。国民1人1人、さらに先の子孫の生活、幸せ、自由、命にかかわる問題なのですから、そこへわざわざ市議会が意見書を出すというのであれば、本当に市民の声を反映した意見書かどうか十分に審議を尽くし、判断してからにするべきです。
 
この後、安保関連法案に反対する市民グループが1500人分の署名とともに、「平和安全法制に関する意見書の取り消しを求める陳情」(陳情=お願い)を提出しましたが、9月の定例会で不採択となりました。14対13で。
また、さらに11月にも安保関連法について慎重な審議などを求める陳情が23件提出されましたが、12月の定例会ですべて不採択となりました。さらに議会は、同じような内容の陳情が複数提出された場合や、一度不採択となったものと同一・同類の内容の陳情が再提出された時の対応を新たに決め、要旨説明の人数に制限を設けたり、審査の対象から外そうという動きが出ています。不採択になった内容の陳情が何度も複数の市民から出されるということは、それだけ市議会の姿勢が市民の声を反映できていないということの表れだと思うのですが・・・。
昨年9月に安保関連法案が強行採決されてからも、少なくとも57の地方議会が新たに慎重な審議などを求める意見書を国に提出しているそうです。政府に待ったをかけようと戦い続けている地方議会もあれば、新たに戦いはじめているところもあるのです。・・・調布市、何をやっているのでしょう?
もちろん安保関連法は調布市だけの問題ではありません。
 
ですが、多くの市民が無関心でいる間に、もっとも近い存在であるはずの市議会でさえこのように暴走していることがわかります。国の政府もしかり、です。
 
安保関連法に反対するママの会@調布のメンバーは、まず地元の市民のみなさんに「政治をすべて任された」いまの政治家が市民、国民の思いからかけ離れた動きをしていることに気づいていただきたいと願っています。
 
そして、もし市や国が自分の思いと違う方向に動いている、動こうとしていると危機感を感じたら、一緒に声をあげませんか?ママの会@調布のメンバーは市議会の傍聴にも時々足を運び、議員をチェックしています。議員さんも人間ですから、市民が目を光らせているのは気になるようです(笑)。一緒に見に行ってみませんか?残念ながら、現段階では保育はついていません。それなら子連れで押しかけて、保育サービスも作ってもらいましょ♪
 
最後まで読んでくださって、ありがとうございました☆
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